ふるさと納税をしたのに、確定申告で寄附金控除を入れ忘れてしまうことがあります。
特に、医療費控除や副業所得の申告に意識が向いていると、ふるさと納税分の入力が抜けやすくなります。
入れ忘れに気づいたときは、まず申告期限内か、申告期限後かを確認します。申告期限内であれば、訂正した申告書を作成して再度送信できる場合があります。申告期限後に気づいた場合は、更正の請求などの手続きが関係することがあります。e-Tax(国税電子申告・納税システム)でも、申告期限内に誤りへ気づいた場合は訂正して申告期限までに再度送信するよう案内されています。
また、ワンストップ特例を申請していた人が確定申告をした場合、ワンストップ特例だけで控除を受ける形ではなくなります。ワンストップ申請済みの寄附も含めて、確定申告でふるさと納税を申告することが大切です。
確定申告でふるさと納税を入れ忘れるとどうなる?
確定申告でふるさと納税を入れ忘れると、寄附金控除が反映されない可能性があります。
ふるさと納税は、確定申告では寄附金控除として扱います。国税庁は、ふるさと納税の控除を受けるには、原則としてふるさと納税を行った年分で確定申告をする必要があると案内しています。ただし、一定の条件を満たす人はワンストップ特例制度を利用できます。
特に注意したいのは、ワンストップ特例を申請していた人です。ワンストップ特例を出していても、医療費控除などで確定申告をする場合は、ふるさと納税の金額を寄附金控除額の計算に含める必要があります。
| よくあるケース | 起きやすいこと |
|---|---|
| 医療費控除のために確定申告した | 医療費控除だけ入力し、ふるさと納税を入れ忘れる |
| ワンストップ特例を申請済みだった | 確定申告でふるさと納税分を再入力し忘れる |
| 複数サイトで寄附した | 一部の寄附履歴だけ確認してしまう |
| 寄附金受領証明書を探せなかった | 寄附日や寄附額の確認が後回しになる |
「ワンストップを出したから大丈夫」と思っていても、確定申告をした場合は扱いが変わります。申告書を出したあとで気づいた場合でも、まずは申告期限と寄附履歴を確認します。
まず確認したい3つのポイント
ふるさと納税の入れ忘れに気づいたら、すぐに手続きを進める前に状況を分けて確認します。
最初に見るポイントは、申告期限、ワンストップ特例の有無、入れ忘れた寄附の範囲です。
申告期限内か期限後かを確認する
対応が変わりやすいのは、申告期限内かどうかです。
申告期限内に誤りへ気づいた場合は、誤った箇所を訂正したうえで、申告期限までに改めて確定申告書を作成し、再度送信できる場合があります。e-Taxでは、申告期限内に入力内容などの誤りに気づいた場合、訂正後に改めて申告書を作成して期限までに再度送信するよう案内されています。
一方、申告期限後に気づいた場合は、更正の請求などの訂正手続きが関係します。期限後は、単にもう一度送ればよいとは限らないため、国税庁やe-Taxの案内を見ながら確認します。
ワンストップ特例を使っていたか確認する
ワンストップ特例を申請していた人は、特に注意が必要です。
確定申告を行う人が、ふるさと納税について寄附金控除の適用を受けるには、ふるさと納税の金額を寄附金控除額の計算に含めて確定申告する必要があります。ワンストップ特例を申請していた場合でも、確定申告をするなら申請済みの寄附を除外しないように確認します。
医療費控除を申告しただけのつもりでも、確定申告をした時点でワンストップ特例の扱いが変わります。ふるさと納税分の入力漏れがないか確認しておくと、申告時のミスを減らしやすくなります。
どの寄附を入れ忘れたか確認する
入れ忘れた寄附が一部なのか、全体なのかも確認します。
楽天ふるさと納税、さとふる、ふるなび、ふるさとチョイスなど、複数のポータルサイトを使っている場合、1つのサイトだけ確認して終わると漏れが出ることがあります。寄附金受領証明書、寄附履歴、クレジットカード明細、自治体からのメールなどを見ながら、同じ年の寄附をまとめて確認します。
確認する項目は、寄附先自治体、寄附日、寄附金額、寄附金受領証明書の有無です。ワンストップ申請済みかどうかで分けるのではなく、確定申告ではその年分のふるさと納税としてまとめて確認します。
申告期限内に気づいた場合
申告期限内に入れ忘れに気づいた場合は、訂正した申告書を作成し、申告期限までに改めて送信できる場合があります。
このときは、ふるさと納税分を寄附金控除として入力します。寄附金受領証明書や寄附履歴を確認し、寄附先、寄附日、寄附金額を間違えないようにします。
すでにe-Taxで送信していた場合でも、申告期限内であれば訂正した内容で再度送信する案内があります。紙で提出している場合や、添付書類が関係する場合は、利用している申告方法に合わせて確認します。
申告期限内に気づいた場合でも、提出済みの内容や使った申告方法によって確認すべき点が変わることがあります。確定申告書等作成コーナーやe-Taxの画面案内を見ながら進めると、入力漏れを防ぎやすくなります。
申告期限後に気づいた場合
申告期限後にふるさと納税の入れ忘れに気づいた場合は、更正の請求が関係することがあります。
東京国税局では、ふるさと納税ワンストップ特例の申請書を提出していた人が、医療費控除のために確定申告をした際、ふるさと納税を寄附金控除額の計算に含めなかった事例について、更正の請求書の作成例を案内しています。
また、提出済みの確定申告書にふるさと納税に係る寄附金控除を追加する場合、当初の確定申告書の内容に寄附金控除を追加して税額計算を行う、更正の請求書の提出が必要になることがあります。ただし、寄附金控除を追加しても最終的な所得税等の額に異動がない場合は、更正の請求ができないことがあり、その場合は住んでいる市区町村への相談が案内されています。
期限後の対応は状況によって変わります。寄附金受領証明書、提出済みの申告内容、住民税の通知などを確認しながら、国税庁や税務署、自治体の案内に沿って進めます。
ワンストップ特例を出していた人は特に注意
ワンストップ特例を出していた人が、あとから確定申告をする場合は、ふるさと納税を入れ忘れやすくなります。
理由は、すでに自治体へワンストップ申請を出しているため、「ふるさと納税分は処理済み」と思いやすいからです。しかし、確定申告をする場合は、ワンストップ申請済みの寄附も寄附金控除額の計算に含めて確認します。
たとえば、A市とB町にワンストップ申請済みで、あとから医療費控除のために確定申告をした場合、A市とB町の寄附も確定申告に入れます。医療費控除だけを申告してしまうと、ふるさと納税分の控除が反映されない可能性があります。
| 確認すること | 見るもの |
|---|---|
| 寄附先の自治体 | ポータルサイトの寄附履歴、受領証明書 |
| 寄附金額 | 寄附金受領証明書、決済履歴 |
| ワンストップ申請済みの寄附が漏れていないか | 自治体からの受付メール、申請履歴、寄附履歴 |
| 確定申告への入力 | 寄附金控除の入力欄 |
大事なのは、ワンストップ申請済みかどうかで寄附を除外しないことです。確定申告をする場合は、申請済みの寄附も含めて確認します。
入れ忘れを防ぐための確認方法
ふるさと納税の入れ忘れを防ぐには、確定申告前に寄附履歴をまとめておくことが大切です。
まず、その年の1月1日から12月31日までに行った寄附を確認します。寄附日は、申し込み日や決済日と関係するため、年末に寄附した場合は特に注意します。
次に、利用したポータルサイトごとに寄附履歴を確認します。複数サイトを使っている場合は、サイトごとに抜けがないか見ます。自治体から直接申し込んだ寄附がある場合も、別で確認します。
最後に、確定申告書の作成時に「寄附金控除」へ入力されているかを確認します。ふるさと納税は、医療費控除や住宅ローン控除とは別の項目です。別の控除を入力しただけで安心せず、寄附金控除の欄も確認します。
確認用の簡単な表を作っておくと、申告時の抜けを防ぎやすくなります。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 寄附先 | 自治体名 |
| 寄附日 | 寄附した日、決済日 |
| 寄附金額 | 受領証明書の金額 |
| 受領証明書 | 手元にあるか、データで確認できるか |
| ワンストップ申請 | 申請済みか未申請か |
| 確定申告入力 | 寄附金控除に入れたか |
Q&A(よくある疑問)
まとめ
ふるさと納税を確定申告で入れ忘れた場合は、まず申告期限内か期限後かを確認します。
申告期限内であれば、訂正した申告書を作成して再度送信できる場合があります。申告期限後に気づいた場合は、更正の請求などの手続きが関係することがあります。
ワンストップ特例を申請していた人は特に注意が必要です。確定申告をする場合は、ワンストップ申請済みの寄附も含めて、確定申告でふるさと納税を申告します。
入れ忘れを防ぐには、寄附金受領証明書、寄附履歴、利用したポータルサイト、ワンストップ申請の有無をまとめて確認しておくことが大切です。ふるさと納税分を入力したかどうかを最後に確認してから申告すると、手続きの抜けを防ぎやすくなります。
参考情報
- 国税庁「No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)」
- 国税庁「ふるさと納税をされた方へ|令和7年分 確定申告特集」
- e-Tax「作成コーナーで送信した申告書等の内容に誤りがあったため修正したい」
- 東京国税局「『ふるさと納税ワンストップ特例』の申請書を提出された方」
- 東京国税局「ふるさと納税に係る更正の請求書の作成例」
