ふるさと納税を調べていると、必ず目にするのが「ワンストップ特例制度」という言葉です。
一方で、「なぜこの制度があるのか」「確定申告とは何が違うのか」と、仕組みが分かりにくいと感じる方も多いのではないでしょうか。
実は、ワンストップ特例と確定申告は、どちらが得かを比べるものではありません。
それぞれ役割が異なり、利用する人の状況に合わせて使い分けるために用意されている制度です。
この記事では、ワンストップ特例がなぜ必要とされているのか、確定申告との役割の違いを整理しながら、分かりやすく解説します。
ワンストップ特例制度とは何か
ワンストップ特例制度は、ふるさと納税を行った人が、確定申告をしなくても控除を受けられる仕組みです。
主に会社員など、普段は確定申告を行わない人の負担を軽くする目的で設けられました。
制度を利用すると、寄付先の自治体に必要書類を提出するだけで、住民税から控除が反映されます。
確定申告そのものを簡単にするというより、「ふるさと納税に限って申告を省略できる制度」と考えると理解しやすいでしょう。
なぜワンストップ特例が必要とされたのか
確定申告が利用の壁になっていた
ふるさと納税が始まった当初、控除を受けるためには確定申告が必要でした。
しかし、確定申告は書類作成や提出の手間があり、慣れていない人にとっては負担が大きい手続きです。
その結果、
「制度自体は魅力的だけれど、申告が面倒そう」
と感じ、利用をためらう人も少なくありませんでした。
利用しやすさを高めるための制度
ワンストップ特例は、そうした負担を減らし、より多くの人がふるさと納税を利用できるようにするために導入されました。
確定申告をしなくても控除を受けられる選択肢を用意することで、制度全体の利用しやすさを高める役割を担っています。
ワンストップ特例と確定申告の役割の違い
それぞれの役割を整理する
ワンストップ特例と確定申告は、目的が異なります。
- ワンストップ特例
ふるさと納税の控除に限って、簡単に反映させるための制度 - 確定申告
ふるさと納税を含め、所得や各種控除をまとめて申告する制度
確定申告は対応できる範囲が広く、柔軟に調整できる一方で、手続きは多くなります。
ワンストップ特例は、その一部を簡略化した位置づけです。
どちらが正解というものではない
どちらかが優れている、という関係ではありません。
その年の状況に応じて、どちらの方法が合っているかを選ぶための仕組みです。
ワンストップ特例が使える人・使えない人
ワンストップ特例が使えるケース
一般的に、次の条件を満たす場合はワンストップ特例を利用できます。
- その年に確定申告をする必要がない
- 年内の寄付先が5自治体以内
- 必要書類を期限内に提出できる
これらを満たしていれば、手続きの負担が少ない方法といえます。
確定申告を選ぶ必要があるケース
一方、次のような場合は確定申告が必要になります。
- もともと確定申告が必要な人
- 医療費控除など、他の控除も申告する場合
- ワンストップ特例の条件を満たさない場合
この場合は、ワンストップ特例を使わず、確定申告でまとめて申告します。
ワンストップ特例と確定申告は毎年選び直せる
ここで押さえておきたいのは、ワンストップ特例と確定申告は、毎年選び直せる制度だという点です。
前年にワンストップ特例を使ったからといって、翌年も必ず同じ方法を選ぶ必要はありません。
たとえば、
- 去年は会社員でワンストップ特例を利用
- 今年は医療費控除があるため確定申告を行う
といった切り替えも問題なく行えます。
その年の働き方や控除の状況に合わせて、無理のない方法を選ぶことが大切です。
なぜ「併用」はできないのか
ワンストップ特例と確定申告は、同じ年に併用することはできません。
これは、控除の処理方法が異なるためです。
確定申告を行う場合、その年の控除はすべて確定申告でまとめて処理されます。
そのため、ワンストップ特例を申請していても、確定申告を行えば無効となり、申告内容に含めて再度申請する形になります。
Q&A(よくある疑問)
まとめ
ワンストップ特例は、確定申告をしない人が、ふるさと納税の控除を簡単に受けられるようにするための制度です。
一方、確定申告は、ふるさと納税を含めたさまざまな控除をまとめて申告する仕組みです。
どちらが正解というものではなく、その年の状況に応じて選び直せます。
役割の違いを理解しておくことで、ふるさと納税をより安心して活用できます。
ワンストップ特例と確定申告の役割を整理しておくと、
年末年始の手続きで迷いにくくなります。
毎年の状況に合わせて無理のない方法を選び、ふるさと納税を上手に活用していきましょう。
